コンサートを「作る」のではなく、「空間」「文脈」「体験」を含めた総体としてのコンサートを設計します。
その設計は3つの層で成り立っています。
音楽への入口を「言葉」で作ります。プログラムノートを書き、解説の言葉を選び、演奏者の人柄を伝えます。楽理科で学ぶ音楽学の知識が、ここで最も直接的に活きています。
聴衆の集中力・心理的距離・感情の流れを計算し、一つの物語としてプログラムを構成します。
会場・空間・視覚・季節——すべてが音楽の一部になるよう設計します。「その場所でしか生まれない体験」を、コンサートの核に置いています。
3公演、それぞれにコンセプトを掲げ開催しました。
届け方の設計が、どう機能したかの記録です。
「本格的なクラシック音楽をいかに身近に届けるか」という問いから出発した初プロデュース公演です。演奏の合間に作品の背景・演奏者の人柄を言葉で共有し、「関心と理解から音楽に入ってもらう導線」を設計しました。作品が持つ歴史的な"華"と、演奏者が放つ個の"華"——その二つが織り重なる瞬間を、音と言葉によって紡いだ花束としてお届けしました。




音楽は、楽譜として書かれた瞬間には、まだ完全には生きていない。演奏者によってその音符に触れ、自らの身体と呼吸を通して響きに変えたとき、はじめて音楽は現在に立ち上がる。その瞬間、過去に書かれた作品は「今ここ」に灯る光となる——企画者として、かつ演奏者として舞台に立つことで初めて見えてきた、音楽の現在性をテーマにした公演です。



コース料理が前菜からデザートへと展開するように、クラシックの多様なジャンルを段階的に配置しました。親しみやすさと専門性を対立させるのではなく、流れの中で自然に接続させることで、「知らない作品も自然に受け入れられた」という体験を実現しています。会場が教会空間であることを踏まえ、讃美歌を組み込み、建築の響きと音楽を有機的に結びつけました。




愛知県名古屋市出身。8歳からピアノを始め、愛知県立明和高等学校音楽科ピアノ専攻を卒業後、東京藝術大学音楽学部楽理科に在学中です。ピアノを高橋恵理、西典代、萩原麻未の各氏に師事。音楽学を齋藤大輔氏に師事しています。
演奏家としての立場と、音楽学を学ぶ立場の両者を横断する視点から、コンサートのプロデュースに取り組んでいます。「どのような取り組みのもと、音楽で社会を豊かにできるのか」という問いを軸に、音楽そのものだけでなく「空間」「文脈」「体験」を含めた総体としてのコンサートを設計しています。
2025年3月に初プロデュース公演「音の花束コンサート」を開催。以降「Luce」「Bon appétit!!!」と立て続けに公演を成功させ、2026年には初の2都市ツアー公演を予定しています。